最初に伝えたいこと

最近「移住サポーター」になった、ナカダです。
2016年より下田の山中に籠もり、独り自給農生活をしています。
今回が投稿デビューですが、つまらない挨拶はやめて私の移住データを載せますね。

傾斜地3段目から臨む、我が家とその周りの菜園概観

場所:下田市北部の稲梓地区。伊豆急下田駅からは車で約30分(最寄りは稲梓駅)。
標高:380m(理論上は海岸部より2.3℃涼しい)。
土地面積:約2200平方メートル(地目:山林および原野)。
家屋:木造平屋建 3LDK(約100平方メートル)1987年築 。
水道光熱:電気、プロパンガス、私営水道、温調給湯、水洗トイレ、戸別合併浄化槽。
通信関係:固定電話、インターネット(光回線)。携帯はキャリアによっては利用不可。地上波TV放送は一部視聴不可。
宅配:各社宅配便配達可能、新聞宅配は利用不可。
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物件購入金額:約530万円(仲介料および登記費用を除く)
固定資産税:年間15700円(2023年実績)

下田に移住した理由

条件に合った中古物件がこの地に有ったので購入して移住したということであり、正直なところ下田に特別な思い入れがあったわけではありません。より好条件の物件が他の地にあったらそこに移住していたことでしょう(笑)。かつて下田には観光で何度か来たことがありますが、まさか将来ここに住むことになるとは夢にも思っていませんでした。見えない縁でもあったのでしょうかね(謎)。

移住サポーターになったのは

インターネットが普及し離れた地方の情報も簡単に入手できる時代ですが、移住を検討する為に必要な情報が全て公開されているわけではありません。私自身も移住経験者であり、表になかなか出ない情報こそが人生の決断に重要な意味を成す場合が多いことも知っています。ついては飾り立てたり包み隠したりしないこの地の「実態」を情報提供することで、移住を検討する人たちの正しく深い理解に貢献し、その方々の末永い定住に繋がることができたなら、多少なりとも私の人生の禊ぎになるかと。綺麗事だけを見たい/見せたい人たちからすればウザイ存在かもしれませんが、このスタンスは堅持していきます。

魅せられるのも良いけれど

移入促進を図りたい地域が魅力を前面に押し出してPRするのは自然なことですし、またそれに興味を持ち移住検討を始めることも然りでしょう。しかしながら感情任せで短絡的に飛び付いたり、安易にのめり込んでしまうことは賢明ではありません。

労働安全衛生においてはしばしば「フェーズ理論」というものが引用されます。そこでは人間の意識の状態を5段階で表していますが、最も集中度が高いフェーズⅣではなく、その手前のフェーズⅢの状態が作業中の意識として最適とされます。その理由は周りが見えなくなるほど没頭するよりも、適度な集中を保ちながら周囲の状況にも意識が及び事象を客観視できる状態のほうがトラブルの回避に繋がるからです。時折自分の行動を俯瞰で捉え、冷静かつ現実的な判断ができているか、本来の目的や計画から逸脱していないかをいろいろな角度からチェックすることは移住検討を進める上でも大切です。

意図した通りに描けているかは俯瞰で見ないとわからない

リスクアセスメント

光があれば影もある、メリットがあればデメリットもあるのがこの世の理です。どんな魅力的な場所であっても必ずリスクが存在します。その現実から目を背ければ、仮に移住したとしても最終的に上手くは行かないでしょう。

逆にリスク情報を積極的に集め分析すれば事前に対処することが可能になります。これは「リスクアセスメント」と呼ばれ、移住を検討する皆さんに私が強くお勧めするものです。


リスクアセスメントの手法

 Step1:情報収集
 ・計画を実行する上で考えられるリスクを片っ端からリストアップする。
  ├ リスク情報は正確であることが前提。
  ├ 相手のみならず自分自身に存在するリスクもその対象とする。
  └ 状況は一定でなく刻々と変化する。現況だけでなく先を見る。

 Step2:分析
 ・リストアップしたそれぞれのリスクの内容を分析し対処方法を考える。
  ├ 数字や記号などを用いリスクの種類や大きさを分類しておくと良い。
  └ 対処方法は現実的なものでないと意味なし。

 Step3:判断
 ・それぞれのリスクが受入可能かどうかを査定し、計画の実行/不実行を決める。
 

移住検討において「受入不可能なリスク」がある場合、残念ながらその計画は断念せざろう得ません。しかし「受入可能なリスク」しかなければ、モヤモヤした不安は払拭され、自信を持って計画を前進できるでしょう。

サポートする側の姿勢

一方で我々「移住サポーター」はボランティアと言えど、責任を持って適切な情報提供に努めなくてはなりません。自戒も込めてその要点について考えてみます。

あくまで移住検討者の目線で

私はボランティアも所詮エゴイズムの一端だと思っていますが、相手に満足を与えられるか否かは大きな違いです。単なる自己満足に終始するのではなく、移住検討者にとって真に価値のある一助を与えられるよう努力研鑽したいものです。

魅力を伝えるのは良いけれど

リスクを知らずに移住すればいずれトラブルを生み「こんな筈じゃなかった」となるのは至極当然。一方、移住後にメリットや魅力に気づいたところで「よかったわぁ」ぐらいの話。さすれば、我々はどこに重点を置いて情報を伝えるべきかということ。

できるだけ具体的に

例えば単に「強い」「速い」とか言っても、どの程度なのかはよく解りません。人によっても捉え方はさまざまでしょう。曖昧な表現は時に誤解を招いたり問題を発生させる起因になります。情報を提供する場合は数値なども使いながらできるだけ具体的で明確な表現を心掛けたいですね。
  
掲載記事の情報管理

まあ意図的に虚偽記載をするサポーターは居ないと思いますが、誤記や実態と変わってしまった古い記事は同様の影響をもたらします。そこに「有る」と表記されていた施設が実際には「無し」だったらどうでしょう?その情報を信じて移住した人が居れば多大なダメージを与えることになります。正しくない情報を放置するのはいろんな意味で危険であり、一刻も早く是正するべきです。指摘されたのにいつまでも直さないのは論外です。記載した情報について責任持って管理できず移住検討者を困惑させるぐらいなら、初めから何も書かない方がよほどマシだと私は思いますね。

機能的・合理的に

その詳細情報は何所に載っていますか?何回クリックしたらそこに辿り着けますか?質問は一体いつになったら回答して貰えますか?。。。サポートすると言うのであれば手を抜かず、移住検討者が短時間でスムーズに情報収集できるよう充分配慮したいものです。そういう部分の積み重ねが相手の信頼を生むのはどの世界でも一緒です。逆に信頼を失うのは一瞬ですからね。対応や姿勢が他の地域と常に比較されていることも忘れてはなりませんね。